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カビについての基礎知識

  1. カビとは
  2. 主なカビの種類
  3. 身の回りのカビの種類
  4. カビの害について

1.カビとは

ゴルゴンゾーラチーズの写真

カビは微生物の一種であり、学問的には真菌と呼ばれています。カビをはじめとする微生物は、良くも悪くも、「生産」、「消費」、「分解」という生態系の基本となる三要素に深い関わりを持っています。
私達の生活との関わりでは、古くから、酒・醤油・味噌・チーズなどの製造に微生物が利用されてきています。その伝統が、学問的には応用生物学として、実用面では発酵工業として受け継がれ、醸造食品・抗生物質・調味料などの製造にいかされています。
一方衣食住におけるカビの発生は、食品の腐敗やさまざまな感染症を引き起こし、私達に不利益をもたらすものとして存在しています。

微生物の分類

ウイルス
生物に寄生し、生きた細胞内でのみ増殖する。
  • 人に寄生して引き起こす病気 …はしか・インフルエンザ・結核・日本脳炎・梅毒など
  • 植物に寄生して引き起こす病気 … タバコモザイク病など
細 菌(バクテリア)
単細胞の微生物で大部分は細胞分裂で増殖する。真菌とは異なり、酸素のない状態でも増殖する嫌気性のものもあり、他の物に寄生 して発酵腐敗を営む病原体。現在約1000種類ほど発見されているが、病原菌となるものは50種類ほどにすぎない。その他は、動物の死骸や枯葉、生ゴミなどを腐敗・分解させて土壌を肥沃にする働きをする。20分で一回分裂し、9時間で1億3000万に増える。
放線菌
カビとバクテリアの中間に位置し、家畜(牛・馬・豚)の伝染病の原因となる。
真 菌(カビ)
糸状菌…カビ菌糸という糸状の細胞で枝分かれしながら成長し、その先端に胞子をつくる。(胞子の大きさは3~100ミクロン)胞子を飛ばして繁殖する。(雨のはね返り・気流に乗って空中へ・ダニに付着して)有機物を栄養として成長する。
キノコ…菌糸が集中して笠状の子実体をつくる。
酵 母…単細胞で主に出芽や分裂で増殖する。糖類・炭酸ガス・アルコールに分解する発酵作用を営み、酒の醸造やパンの製造に欠かすことの出来ない微生物。
藻 類
水中又は、光の当たる湿った場所に生育する。まれに他に寄生することもある。菌糸が無く酸素を必要としない。光合成をして栄養分を作る。
  • ウィルスの顕微鏡写真 ウィルス
  • 細菌(バクテリア)の顕微鏡写真 細 菌(バクテリア)
  • 放線菌の顕微鏡写真 放線菌
  • 真 菌(カビ)の顕微鏡写真 真 菌(カビ)
  • 藻 類の顕微鏡写真 藻 類

2.主なカビの種類

乾燥した環境でも生えるカビ群
ユーロチウム(カワキコウジカビ)・アスペルギルス(コウジカビ)・ペニシリウム(アオカビ)
湿った環境に多いカビ群
クラドスポリウム(クロカビ)・アルテルナリヤ(ススカビ)
最も湿った環境に多いカビ群
リゾプス(クモノスカビ)・ムコール(ケカビ)・トリコルデルマ(ツチアオカビ)・ケトミウム(ケタマカビ)・フザリウム(アカカビ)・オーレオバシデウム(黒色酵母様菌)

3.身の回りのカビの種類

風呂場
クラドスポリウム レジネ  オーレオバシデウム プルランス
新築マンションの青畳
ペニシリウム フレクエンタンス
湿った畳
ケトミウム グロボーサム
エアコンの吹き出し口
黒く汚染いているのは汚れ以外にクラドスポリウム クラドスポリオダイス
冷蔵庫
ゴムパッキンのカビ、ドアを開けたときのカビくさい臭いクラドスポリウム レジネ
布/木綿
トリコデルマ ビルディ ケトミウム グロボーサム
アルミ・ジュラルミンを腐食させるカビ
クラドスポリウム レジネ
GLボンド+クロス貼りの青・紫のカビ
フザリウム モニリフォルメ
コンタクトレンズ
アルテルナリア アルテルナータ
古文書
ユーロチウム シバリエリ
カメラのレンズ
ユーロチウム レペンス アスペルギルス ニガー
プリント(基盤)配線板
トリコデルマ ビリディ ペスタロチア ネグレクタ クラドスポリウム クラドスポリオダイス フリザリウム モニリフォルメ ケトミウム グロボーサム アルテルナリア アルテルナータ

4.カビの害について

カビをはじめとする微生物は、地球上の浄化作用・医薬品・発酵商品の製造など、人間と深い関わり合いを持ってきましたが、その反面人間にとって大敵でもあるのです。衣食住におけるカビの発生は、不潔さや食品中毒・美観の損失であるばかりではなく、人体に対して真菌感染症・真菌アレルギー症・真菌中毒症・MRSAによる院内感染などを引き起こし、私達の社会生活に多大な悪影響を及ぼしています。

食品におけるカビ害
食品中に微生物が増殖し、その作用によって食品の成分が変化し形・色・味・硬さなど本来の性質を失って悪臭を放ち、あるいは、毒性を生成して食べられなくなる現象が「食品腐敗」です。カビが産出する「カビ毒(マイコトキシン)」は真菌中毒症の原因となる為、慎重な扱いが必要です。
建造物におけるカビ害
住宅の中では浴室・塗り壁・タイル目地・タンスの裏側・押入の中・壁クロスなどあらゆる部分にカビが発生します。驚くことに、航空機のアルミ合金製の燃料タンクにもカビが発生し、穴が開いたという事例もあります。このようにカビをはじめとする微生物は、あらゆる材料に発生・繁殖し、さまざまな災害をもたらしています。
産業におけるカビ害
カビなどの微生物の作用で各種材料などが変質・劣化・分解・腐食・崩壊を生じ、機能を失う現象を「微生物災害」といいます。木材・繊維材質・皮革類でのカビの発生は勿論の事、カメラのレンズやコンピューターの半導体にまでカビが発生・繁殖し、被害をもたらしています。プラスチックは腐食しないと思われていましたが、実はカビの大好物であり被害が発生しています。
人体におけるカビ害
カビ(真菌)に起因する疾病を研究する学問を「医真菌学」といい、カビが原因でかかる病気を「真菌症」と呼びます。抗生物質・免疫抑制剤・抗癌剤などを使用する高度医療により併発する日和見感染の深在性真菌症が多発しており、医学上の大きな課題となっています。
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